date:平成22年9月25日〜10月10日 place:Kentucky Horse Park Lexington,United States
ヨーロッパ以外の地での世界選手権は初めてということですが、会場になったケンタッキー州レキシントンの「Kentucky Horse Park」はさすが馬産地だけあって、非常に広大な土地で行われました。
前回2006年のドイツのアーヘンは会場が街中で非常にコンパクトにできていて見る側にすればとても便利でした。
今回はとにかく車がなければどうにもならないという状況でした。
ボランティアも4,000人という規模でしたが、すべてにおいてお金という「拝金主義」にはちょっと辟易させられました。
ホテルは通常の3倍、会場での飲食も高く、紙一枚のスターティングリストも2$、観戦料も午前と午後別々に取ったり、駐車料金も1日20$ etcとそんな具合でした。(アーヘンの時は、すべてにおいて料金はとてもリーズナブルなものでした。)
国体との日程が重なり、佐藤賢希選手の1日目のドレッサージテストは実際に見ることはできませんでしたが、練習場ではとても良かったのですが、本番では入れ込んでしまい、とくに反対駈歩は不実施に近いような出来でした。(ただこの愛馬HOP&SKIPの名誉のために言えば3***ではあるが70%近くの実績はあります。)
従って一日目に早くも減点69.5(53.7%)を背負ってしまいました。
しかしながら2日目以降は全てにおいてすばらしいもので、私にとってもとても感激的なものでした。
世界選手権を目前にした9月の中旬ごろ彼と電話で話した時に、とにかく世界選手権という4****のクロスカントリーとショウジャンプに挑戦できることをとっても楽しみにしていると言ったように、クロスカントリーのコースは最後のほうの一障害(これはロングルートを通ってもタイムロスがほとんどない)を除いたオタナティブ(二者選択)はすべてストレート(ショートルート)にクリアーしタイム減点5.6(14秒オーバー)のみであった。
最終日のJumpingテストも惜しい一落下はあったがとてもよい走行でした。(結果は35位)
大岩選手、弓良選手と併せて3人の日本選手は成績を残し、国別で9位になりましたが、当然上位に来る予想であったオーストラリアが3名ゴールできずニュージーランドが健闘して国別3位になり、ロンドンオリンピックのアジア、オセアニア枠をめぐってはオーストラリアを倒さなければならない厳しい状況ではありますが、佐藤賢希選手は自らの課題はドレッサージという認識の下、新しいコーチも摸索中です。
奥さんの喜代さんもホースマネジャ−を献身的にやっており世界選手権に来れたことがとっても嬉しいと言っておりました。
英語が堪能な彼女はドイツ語も勉強中で、まさに賢希選手のマネージャーでもあり、ぜひ2人でロンドンオリンピックに行けることを期待します。
翌日、いよいよ佐藤英賢選手のJUMPINGが始まりました。
一日目のSUPEED COMPETIONは基準表Cで行われ一位の選手に1秒遅れる毎に0.5の減点が加算されるものです。
英賢選手はリズムもコース取りもよくクリアラウンドかと思われましたが、最終障害で落下がありタイム減点5.81を背負ってしまいました。
翌日のTEAM&Individualでは第4障害で馬が先のトリプルを見てしまったのか、リズムを崩して落下を招き、さらに2落下1反抗があり惜しくも敗退してしまいました。
この競技では、杉谷選手と福島選手がクリアラウンドして決勝進出に望みをつなぎました。
国別ではドイツが全員クリアラウンドの圧勝でした。
その後の情報では杉谷選手が個人決勝で10位となりロンドンオリンピックの国別出場枠をとりあえず1頭獲得したとのことですので、また英賢選手にはロンドンオリンピック出場を目指してぜひ頑張っていただきたいと思います。
レポート:西澤一幸/10月17日寄稿
西澤一幸さんよりレポートと写真をお送りいただきました。ありがとうございました!!